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■カロリーは足りていても栄養は足りていない現代人。

この飽食の時代に、栄養失調?!と疑問を抱く人もいるでしょうが、実は新型栄養失調と栄養失調とは意味が違います。

『昔の栄養失調は、カロリーが不足し、やせ細っているような状態を示していました。一方、新型栄養失調は、カロリーは摂れているけれどタンパク質やビタミン、ミネラルといった必須栄養素がとれていないことをいいます。』

つまりカロリーでは判断できないのが新型栄養失調。太っていても痩せていても、自覚症状がまったくなくても、すでに陥ってる可能性があります。

 

実際、クリニックなどで体調がすぐれないと来院し、新型栄養失調である患者さんが多いそうです。その原因として考えられるのは野菜などの食材に含まれる栄養素が減少したこと。美味しく売れるような野菜をつくるために土壌を改善した結果、栄養素の含有率が低下したためです。例えば人参のビタミンAは60年前の6分に1ほどになっているというデータがあります。野菜を食べていても、栄養不足になる可能性があるわけです。

 

『加工食品はビタミンやミネラルが削ぎ落されてしまい、その大半が糖質や脂質に。様々な栄養素が含有されている豚肉などの天然素材とは違って、肉を食べているつもりでも、ハムやソーセージといった加工食品では栄養素をバランスよく摂取できないのです。そもそも人間の体には脂肪や糖質、タンパク質をどんどんエネルギーに変えていく回路があります。体内の細胞を活性化するこの回路は、いろんな栄養をまんべんなく体内に存在しないと働かないシステム。仮にパンやパスタを食べていても、その糖質をエネルギーに変えるためのビタミンやミネラルが不足していると、いくらカロリーを摂っても活力になりません。』

 

結果、細胞が機能的に働かなくなるうえ、エネルギーとして消費されずに余ったカロリーは、脂肪として蓄積。内臓脂肪が増加することになります。さらに侮れないのが、食品添加物。現代の生活を支えるコンビニ食にも使われているが『食品添加物や糖分などを過剰に摂ると、腸内にいるカビの一種・カンジダ菌が繁殖。腸内菌のバリア機能が低下し、腸内膜が薄くなり、バリア機能が正常であれば阻める悪い菌や毒素まで通過してしまうことになります。』

 

おまけに骨の成長に働くカルシウムの摂取によいとされていた乳製品にも落とし穴が。

カルシウムには、マグネシウムとセットで働きます。特に、カルシウムしか含まれない牛乳だけを飲んでいるとバランスが崩れ、マグネシウム不足になりことも。

骨はおろか、体調に影響を及ぼすことになりかねません。ホルモンバランスの変動期にあるエクラ世代は、敏感に不調を感じやすいとき。

栄養不足だと、更年期症状がつらくなるとも言われています。よくも悪くも体を構成する細胞は2~3ヶ月くらいで入れ替わりますので、今からでも食生活の見直しを。

 

◆間違った糖質意識で逆効果(ビタミンB・鉄不足)

▼原因と症状【重症化する動脈硬化や糖尿病に】

白米は控えても、パンなどの小麦なら大丈夫、果糖なら大丈夫…と、気づけば糖質をとっている人が多い。その勘違いから、食事をすると血糖値が急激に乱高下し、余った糖質が体内のタンパク質と結びついて糖化し、しだいに体が錆て動脈硬化のリスクも。『糖質過多は脳の働きにも関わっているため、集中力も低下。また、更年期はエストロゲンの減少に伴い、気分を安定させる神経伝達物質セロトニンの分泌量も減るため、糖質を欲しくなりがち。要注意です。』

▼どうしたらいいのか?(おかずから食べる…を習慣化)

まず『セロトニンの分泌量を上げるために、その原料であるタンパク質、鉄つビタミンBをしっかりとること』その際、摂取の仕方に一工夫。『糖質依存の人は腸のカンジダ菌が増殖し、糖質という餌を欲している状態。こうなると、自分の意識ではなかなか制御できないことも。その場合、せめて糖質の摂り方を注意してみましょう。主食の前に必ず、栄養価の高い良質なおかずを食べるなど、血糖値の上昇をゆるやかにすることが大切です。』

おかずは、タンパク質や鉄分を含有する魚介・卵・大豆製品・肉類を。さらに、食物繊維が豊富でビタミンBも含む海藻・キノコ・コンニャクなどバランスよく。できれば、糖質も繊維がとれる全粒粉やソバ米・キヌア。活性酸素を除去する効果がある、アントシアニンを含む古代米もお勧め。

 

◆肉食主義の錯覚で脳内波乱(タンパク質不足)

▼原因と症状【筋肉と骨が減少・下半身が弱体化】

ハム・ソーセージといった加工食品で肉を食べたつもりの人や肉は好きなのに胃もたれする人が陥りやすいタンパク質不足。『体の細胞すべてをタンパク質は、そのカロリーの30%を消化エネルギーに使うため、十分にとれば体温が上がり脂肪が燃えやすくなる半面、不足すると痩せにくい体質に。筋肉や骨になる基礎となる材料も減るため、お腹はポッコリ、下半身はガリガリなど目に見えて影響があらわれます。また、タンパク質は脳の働きをつかさどるホルモンの合成にもかかわるため、考えがまとまらない、気分が不安定になるなどの症状があらわれます。』

▼どうしたらいいのか?(解酵素を含むキウイや大根を)

『タンパク質は日々使ってしまうので、貯蓄ができません、しかも、摂取量の半分は胃液などの消化液をつくるために使われるので、しっかりとらないと胃もたれが起き、ますます肉や魚が食べれなくなり悪循環をまねきます』消化液の生成能力は加齢によっても落ちてくるので、タンパク質の分解酵素を含む、発酵食品を積極的にとり、生で新鮮なパイナップル・キウイを食後の締めに。辛味成分を含む、大根おろしも有効。唾液の分泌を促す、梅干しや酢・ゆず・かぼす、などの柑橘類もよいです。豚肉の梅肉おろし和えや、茹で鶏とたっぷり野菜を塩麴ドレッシング(良質なドレッシング)で食べるなど効果的。また、消化酵素を薄めないために、食事中のやたらと水を飲みすぎないことも大切です。たんぱく質をより摂取できるよう、自前の消化酵素をどんどん出せる体を目指して挽回しましょう。

 

◆カルシウムの陰に潜む盲点(マグネシウム不足) 

▼原因と症状【感情の起伏に波・筋肉に痛みも】

大きな原因は『体内のマグネシウムの排泄を促してしまうインスタント食品や冷凍食品の過剰摂取。ストレスでも消費され、尿中に流出します。もともとマグネシウムには神経を落ち着かせ、筋肉や血管を弛緩させる働きがありますから、不足すると初期の段階では首や背中の筋肉が痛む、偏頭痛。感情の起伏が激しくなるといった症状が。また、カルシウムとセットになって働き、細胞内のカルシウム濃度を調整しているマグネシウムが減ると、カルシウムも働かなくなり骨粗しょう症のリスクも高まります。

▼どうしたらいいのか?【魚と経皮吸収で鉄壁に】

カルシウムはとっているつもりでも、実はマグネシウムはとれていない…という人が、非常に多い。そこで一旦『カルシウムだけを含む乳製品の摂取をやめてマグネシウム含有量の高い食品に集中しましょう。最適なのは、骨ごと食べられる魚。圧力なべで料理すればサバからもとれます。手軽に食べられる小魚や桜エビ・ししゃもなどもお勧め。』これらはカルシウムも含みますから、結果的にはどちらもバランスよく摂取できることになります。更年期に立ち向かうエクラ世代には、マグネシウムを含みつつ、女性ホルモンと似た働きをしてきれる大豆製品も心強い食材。女性ホルモンの低下によって起こる、諸症状にも対処できます。

毎日欠かさずとるのが難しいなら『マグネシウム入り入浴剤で経皮吸収するだけでも違います』

 

◆蓄積された甘味料の副作用(善玉菌・食物繊維の不足)

▼原因と症状【カンジダ菌繁殖食でアレルギー頻発】

スイーツはもちろん『糖分や甘味料が配合されている栄養ドリンク・アルコール・コーヒーなど日常的にとっている人の腸にはカンジダ菌がいます』糖質依存にも関与するこの菌は腸内環境悪化を引き起こす元区。『体全体の約70%の免疫細胞が集中している腸は免疫機能をコントロールする司令塔。ウイルスや細菌から体を守るこの機能が低下すると腸の粘膜が薄く弱くなり、入ってはいけない異物が侵入。悪さをするため便秘や下痢をしやすくなる他、肌荒れ、花粉症などアレルギー症状の一因にも。』

▼どうしたらいいのか?【抗菌作用のある香辛料も効果的】

細菌の中でも重要な善玉菌を増やすことが大切。具体的には『味噌や納豆・ぬか漬けといった発酵食品から乳酸菌を摂取する。さらに、乳酸菌を増やして腸内に定着させる働きがある食物繊維は必須。緑黄色野菜や海藻・コンニャクなどはカンジダ菌対策としても取り入れたい食品ですから毎日たっぷり。生姜やシソ・シナモン・ターメリックといった香味野菜や香辛料のほか、ココナッツオイルも抗菌作用や解毒作用があるのでうまく取り入れて。また、腸の働きは自律神経とも連動します。40歳を境に副交感神経の機能は低下し、自律神経が乱れやすくなるので、深い呼吸とゆっくりの動作で副交感神経を優位にするなど、行動パターンもギアチェンジ。食事の相乗効果を狙いましょう。』