私たちの背骨は柱を立てたような感じではなく、脊柱を横から見ると、首が前、背中が後ろ、腰が前というようにS字形のカーブを描いています。もし、これがまっすぐになっていると跳びはねたとき脳に振動が直接伝わってしまいますが、S字形になっているために、衝撃が吸収されて振動が響きにくくなっているのです。
さらに脊柱は上半身を支えるだけではなく、曲げたり伸ばしたりひねったり、という動きに対応できるようにしなやかな構造になっています。
仕組みを見ていくと、一番上にあり、重い頭を支える役目を果たしているのが頸椎です。頸椎の下に胸椎、その下に腰椎と続いていますが、腰椎は仙骨(骨盤)の上に乗っています。これらはそれぞれ、7個、12個、5個の椎骨からなっていて、あいだにクッションのような働きをする軟骨性の椎間板を挟んで、椎骨というブロックを積み重ねた構造になっています。椎間板があるおかげで、ある程度伸縮性があって曲げたり伸ばしたりの脊柱の動きができ、脊柱にかかる衝撃を吸収し、和らげるという役目も果たしてくれているのです。
しかし椎間板は老化が早く、25歳を過ぎる頃から椎間板の中央にある髄核の水分が減り始め、35歳以降になるとその髄核を取り巻く線維輪という軟骨の水分も減少して弾力性が落ちてきます。そのためにクッション効果が弱まり、腰椎への衝撃を緩和できなくなって腰痛が起こり易くなるのです。
その他に、筋肉の老化によって、状態を支えられなくなる場合や神経からくる痛みが原因の場合や脊柱(背骨)の中にある脊髄から出ている末梢神経が痛みの原因になる場合もあります。
●腰痛の原因
・姿勢の悪さ・一定の姿勢
前かがみや直立した姿勢を続けていると、腰の筋肉に大きな負担がかかります。姿勢を良くして、腰に負担をかけない生活をしましょう。
・過度の運動や動作
激しいスポーツや、重いものを持ち上げたとき、また肉体労働などで腰の筋肉を酷使したときも腰痛が起こることがあります。急激な動作は避け、腰に負担をかけないように気を付けましょう。
・筋肉の衰え
運動不足や、加齢のために腰の筋力が衰えている人は腰にかかる負担がいっそう大きくなり、腰痛を起こし易くなります。普段から運動して、筋力をアップしておきましょう。
・骨の老化
閉経後の女性には、骨粗しょう症で骨がもろくなり、圧迫骨折を起こす人がいます。そのため、背中が曲がるなどして、背中から腰にかけて痛みが起こります。若いうちからカルシウムを十分にとって、骨を丈夫にしておきましょう。
・内臓などの病気
肝臓や子宮などの病気によって腰痛が起こることがあります。がんこな腰痛は躊躇せずに医師の診察をあおいでください。
◆栄養補給
腰痛をやわらげるビタミンB群、血行を良くするビタミンE。
長時間同じ姿勢をとることなどで筋肉や神経が疲れ、それが原因となって、腰痛になることがあります。そのようなときは、ビタミンB1とビタミンEをとると良いでしょう。タミンB1には、筋肉や神経の疲れをやわらげる働きがあります。ビタミンEには、血液の流れを良くし、筋肉の緊張を取る働きがあるので、痛みをやわらげるのに役立ちます。また、ビタミンB1・B6・B12は神経ビタミンといわれ、神経がうまく働くために大切な栄養素です。ビタミンB1とともに、ビタミンB6とB12もとるように心がけましょう。
・筋肉や骨の強化のためたんぱく質やカルシウムも
腰痛の予防と治療には、腰の筋肉や骨を強くしておくことも大切です。
筋肉の強化には、筋肉を構成するたんぱく質が必要。たんぱく質をとって、背筋を付ける体操をしましょう。
さらに骨の強化には、カルシウムが必要不可欠です。一見、生きているようには見えない骨も、実は2~3年周期で生まれ変わっています。カルシウムは毎日とるのが基本です。
◆急性は冷やし、慢性は温める
患部に直接働きかける方法として、患部を冷やす方法と温める方法があります。どんなときに冷やし、どんなときに温めれば良いのでしょうか。
原則として、熱を持っているような炎症状態の急性の痛みは冷やし、慢性の痛みは血行を良くするため温めてください。
・(冷やし方)
簡単で手軽な方法としては、タオルを水か氷水で濡らしたもので冷やすか、パップ剤を貼るか、市販のコールドパック(冷却剤の入ったパックを冷蔵庫で冷やしたもの)を使います。氷で長時間冷やすのは冷やし過ぎです。
・(温め方)
温める場合は、お風呂などが良いです。他には、痛む部分に当てるホットパック、使い捨てカイロ。温める時間は、ホットパックの場合10~15分ほど、使い捨てカイロでは腰の部分ならば15分以上、脇やお腹は5分以上温めてください。
◆ストレッチ
痛みをやわらげる体操です。
主に背筋と腹筋を鍛え、腰椎部の弯曲を矯正して痛みを和らげます。それとバランスの取れた運動を行うことで血液の循環状態を良くします。
※腰痛の原因に血流の悪さも関係します。INDIBA(インディバ)は深部加温が可能なため細胞レベルにアプローチでき、血液循環はもちろん筋肉の疲労回復・血行改善で滞った老化廃物も回収されるためコリの改善も期待できます。