■ヘルパンギーナとは 。
ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎であり、乳幼児を中心に夏季に流行する。いわゆる夏かぜの代表的疾患である。その大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスに起因し、主にコクサッキーウイルスA群である場が多いが、コクサッキーウイルスB群やエコーウイルスで発症する場合もある。
■疫学。
疫学パターンはエンテロウイルス属の特徴に沿う。つまり熱帯では通年性にみられるが、温帯では夏と秋に流行がみられる。日本では毎年5 月頃より増加し始め、7月頃にかけてピーク を形成し、8月頃から減少を始め、9~10月にかけてほとんど見られなくなる。国内での流行は例年西から東へと推移する。その流行規模はほぼ毎年同様の傾向がある。患者の年齢は5歳以下 が全体の90%以上を占め、1歳代がもっとも多く、ついで2、3、4歳代の順で、0歳と5歳はほぼ同程度の症例が報告されている。
※ヘルパンギーナは、主に小さい子供がかかる感染症と言われていますが、感染症であるだけに、稀ですが大人がかかる事も十分に可能性はあります。
■病原体。
「A群コクサッキーウイルス」「B群コクサッキーウイルス」や「エコーウイルス」など多く含みます。
エンテロウイルス属の宿主はヒトだけであり、感染経路は接触感染を含む糞口感染と飛沫感染 である。急性期にもっともウイルスが排泄され感染力が強いが、エンテロウイルス感染としての性格上、回復後にも2 ~4週間の長期にわたり便からウイルスが検出されることがある。
■大人のヘルパンギーナの感染源。
ヘルパンギーナは主に子供がかかる病気ですが、大人も感染する危険性は十分あります。
感染には「接触感染」と「飛沫感染」があり、その感染源となるのは、多くの場合、感染した子供の看病の二次感染と言われています。
■症状
• 高熱
• 水疱
▼高熱
39~40℃の高熱が突然出てきて2~4日続くと言われています。
▼水疱
喉の奥や上顎に水疱のような水膨れが出来るのがヘルパンギーナの特徴です。
2~4 日の潜伏期を経過し、突然の発熱に続いて咽頭痛が出現し、咽頭粘膜の発赤が顕著となり、口腔内、主として軟口蓋から口蓋弓にかけての部位に直径1~2mm 、場合により大きいものでは5mmほどの紅暈(こううん、皮膚が部分的に充血して赤く見えること)で囲まれた小水疱が出現する。小水疱はやがて破れ、浅い潰瘍を形成し、疼痛を伴う。発熱については2 ~4 日間程度で解熱し、それにやや遅れて粘膜疹も消失する。発熱時に熱性けいれんを伴うことや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを呈することがあるが、ほとんどは予後良好である。
※重篤化
大人がヘルパンギーナにかかると、子供よりも高熱が長く続き喉の痛みも強いと言われています。その為、何かを口に入れる事が辛くなり脱水症状になる事もあります。
■治療・予防
ウイルスが原因の病気なので、特異的な治療法はなく通常は対症療法のみであり、発熱や頭痛などに対してはアセトアミノフェンなどを用いることもある。時には脱水に対する治療が必要なこともある。無菌性髄膜炎や心筋炎の合併例では入院治療が必要であるが、後者の場合には特に循環器専門医による治療が望まれる。
特異的な予防法はないが、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなど。
大人のが感染したら、潜伏期間を過ぎて高熱を発症しますので、まずは安静にすることが大切です。
さらに、高熱に伴い体内の水分を失いますので脱水症状にならないようにコマメな水分補給が重要です。のどの痛みが出ますので、なるべく喉の負担にならないような食事が必要になります。
■最後に。
通常、ヘルパンギーナの発熱は2・3日でおさまると言われていますが、それでも熱が下がらない場合は、合併症を起こしている可能性もありますので病院で診察を受ける事が大切です。
2016年には厚生労働省がTWITTERで注意喚起をしていました。
この時期の高温・多湿は流行の時期になります、まだまだ暑い夏は続います。皆さん自己管理をしっかりして、この夏を元気に乗り切りましょう。
引用(国立感染症研究所感染症疫学センター)